20代から投資をするということ
20代から投資を始める=「時間」という最強の武器が手に入る
20代は、まだ給料が低いことや遊びたい盛りであることもあって、投資をしている人は少ないと思います。
たしかに、自己投資や人生の経験など20代でしかできない事は積極的に取り組むべきだと思いますし、私自身もそうでありたいと思います。
しかしながら、資金の一部で株式投資を始めてみてはいかがでしょうか。
20代は時間を武器に株式投資をできるので、圧倒的に有利だと思うのです。
時間を武器にすれば莫大な利益を生むことができます。
資金の一部でも株式投資に振り分けていれば、20年後や30年後には圧倒的な差が生まれると思うのです。
この記事では、
・20代から株式投資を行うことの効果
に焦点を絞って検討していきます。
資産形成の方程式
有名な資産形成の方程式は、下記の式で表されます。
資産={(収入-支出)×運用}×期間
ここで、20代の方々に注目していただきたいのが、最後についている”期間”です。
そもそも株式投資は年率リターンで表されるように、期間が長ければ長いほど”圧倒的に”有利なのです。
たしかに、株式投資にはリスク(不確実性)があり、短期間で絶対に成果を上げられるとは限りません。
しかし、今までの歴史では、長期間での年率リターンは+6.5%程度(米国株)に収斂してきました。
つまり、20代のように投資期間を長く確保しやすい人は、プラスの年率リターンに収斂していくため、期間が長くなるほど資産が増加していくはずです。
以上から、期間が長いことは不確実性のある株式投資において”圧倒的に”有利だと思うのです。
20代は投資期間が長くできる=圧倒的に有利!
「老後2,000万円」問題を解決してみよう
2019年に話題になった、「老後2,000万円」問題にあやかって、
60歳時点で2,000万円を用意する
という目標に向かう3人がいるとします。
それぞれの設定は次の通りです。
・Aさん:25歳、月3万円を投資、株式リターン年3%
・Bさん:35歳、月5万円を投資、株式リターン年3%
・Cさん:45歳、月9.5万円を投資、株式リターン年3%
この3人は60歳時点で、2,000万円を用意できるでしょうか。
計算方法や条件
計算方法や条件は、下記のとおりです。
初年度は入金のみ
2年目以降は、前年度終わりの資産に年率リターンをかけ、その額に当年の入金額を加算。(当年の入金額にリターンが乗らないため、投資リターンを過少評価している)
株式リターン3%は、米国株のインフレ調整後リターンが6~6.5%あったことを考えて、保守的な数値で設定
総じて、投資期間の長いAさんに不利な条件になると思います。
60歳時点での資産額
60歳時点での3人の保有資産額は次のようになりました。
・Aさん:22,779,340円
・Bさん:23,131,825円
・Cさん:22,978,845円
年齢と資産額の関係をグラフで示すと、次のようになります。
見事に、3人とも60歳時点での資産2,000万円を達成することができました。
また、資産額も3人ともほぼ同じ金額になっています。
60歳時点での累計入金額
また、60歳までに入金した金額は、3人それぞれ次のようになります。
・Aさん:12,960,000円
・Bさん:15,600,000円
・Cさん:18,240,000円
入金額には違いがあって、Aさんが一番少ない金額になります。
資産額はほぼ同額だが
さて、シミュレーションから分かることが何点かありますね。
一つずつ整理していきましょう。
投資期間+10年の効果が半端ない
投資期間が10年延びることの効果が半端なく大きいですね。
・Aさん:月3万円、投資期間35年
・Bさん:月5万円、投資期間25年
・Cさん:月9.5万円、投資期間15年
この条件で、資産はトントンになりますからね。
月3万円なら何とか用意できる人も増えてくると思いますが、月5万円ならまだしも、月9.5万円となると、家族を養う立場ならば無理に等しいでしょう。
この結果から言えるのは、若いうちから少額でも良いので投資期間を長くすることは、投資をしていなかった人に比べて、月の入金額が1/2-1/3で同じ資産額を確保できる、ということです。
ここまでだと、普通の話ですよね。
期間が短いから、その分入金額を増やして補填する、と言っているだけですね。
しかし、AさんとCさんを比べてみてください。
CさんはAさんの約半分の投資期間があったにも関わらず、入金額は逆数の2倍ではなく、3倍になっています。
これはどういうことなのでしょうか。
3人の累計入金額は一定ではない
さきほどの、60歳時点での累計入金額を振り返ってみます。
・Aさん:12,960,000円
・Bさん:15,600,000円
・Cさん:18,240,000円
3人とも保有資産額はほぼ同じですが、累計入金額には差があります。
つまり、株式投資によって利益を最も得ているのは、Aさんなのです。
これが、資産形成の方程式において、期間が長ければ長いほど効果を発揮する、という意味なのです。
投資期間が長いほど、株式の年率リターンの恩恵を受けることができ、少ない投資入金額で同じ資産額を形成できる、というわけです。
また、この傾向は、年率リターンが大きいほど顕著に現れます。
今回のシミュレーションでは、株式のリターンを3%に設定しましたが、通常のS&P500等では、より大きいと考えられます。
投資期間が2倍ある=入金額を1/2未満にできる
ということになるのです。
このことから、投資期間を長くする威力は半端ないのです。
ちなみに、Aさんは、累計入金額12,960,000円で、資産額が22,779,340円となるのですね。
損益が+1000万円程度あるので、株式の恩恵で資産が40-50%上昇したことになります。株式ハンパないって!
投資期間が長い=最強の武器
今回は、「20代から投資すること」、というテーマで、投資期間を長く確保することの効果を簡単に検証しました。
投資期間を2倍にすることは、入金額を半分未満にできる威力があります。
その分、自己投資など別のことに使う選択肢もありますね。
また、昨年問題になった「老後2,000万円」問題に対する答えも、20代の場合はクリアできそうな解決策が見えます。
・月30,000円を頑張って捻出し、年率リターン3%得られる(というかS&P500で5-6%ある)株式に投資をすること
・それを30年以上継続すること
これが答えです。
45歳から用意しようとすると、月95,000円も捻出しないといけないのでしんどいです。
それが月30,000円で済むことを考えたら、20代から投資を始めさえすれば何とかなる気がしてきませんか?
投資において、期間を長くできるということは、最大の武器なのです。
「ウサギ」と「カメ」なら株式投資の世界では、「カメ」が有利なのですね。